9月4日 三位一体の芸術「文楽」

9月の文楽東京公演「伊賀越道中双六」に先立ち、文楽人形遣いの桐竹勘次郎さんをお招きし、文楽入門レクチャーを開催いたしました。

 

文楽の人形遣いの修行は、足遣い1015年、左遣い10年、主遣い一生と言われています。今年で入門8年目という桐竹勘次郎さんも、師匠である桐竹勘十郎さんのもと、その修業のまっただ中にいるお一人です。

 

このようなレクチャーをするのは初めてという勘次郎さん。今回は入門編ということで、文楽の成り立ちと歴史、三業の概要、人形の構造と遣い方などについてお話いただきました。

 

人形の説明には酒屋のお園さんの人形のほかに、ツメ人形や団七の首(かしら)、さらには材料となる鯨のひげの現物まで持参いただき、丁寧に解説していただきました。1人で遣うツメ人形と3人遣いの人形の遣い方の違い、女形と立役の人形のつくりの違いなども実物を見ながらだととてもわかりやすく、人形の肌の色の違いで年齢や善悪、身分を表しているなど、舞台を見る時により興味がわくようなお話もたくさん聞かせていただきました。

足遣いの頃は足だけを遣っているのかというとさにあらず。ツメ人形と呼ばれる1人遣いの人形を遣うことで人形の目線の定め方を覚えたり、手摺の下では小道具の受け渡しをしたり。主遣いが履く舞台下駄にわらじを括りつけるのも若手の仕事。三味線の二の糸を再利用してわらじを括りつけるそうなのですが、これが流血をともなうキツイ仕事なのだそうです。そんな修行の裏話や失敗談などもたくさん飛び出しました。

 

最後は、仮名手本忠臣蔵「裏門の段」の鷺坂伴内の足遣いを実演。足だけで見るということはまずないので、とても珍しい経験です。足の動きもさることながら、舞台を踏み鳴らす足拍子が迫力ありました。血豆ができたり、かかとが割れることもあるというほど激しい足拍子。舞台では全体の進行の中に溶け込んでいるので特に気にしたことはなかったのですが、こうして目の前で見せていただくと、足拍子一つとっても圧倒されるものがありました。

 

そんな盛りだくさんの内容で、90分のレクチャーはあっという間に終了。20名を超す方々にお集まりいただくという盛況ぶりでした。勘次郎さん、ありがとうございました。

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